暮らしの条件の不確実さで住宅システムの前提が崩壊

2011-12-30

住宅システムの変化は、住宅それ自体の領域のなかだけで進むのではなく、より広い領域の市場化という文脈のもとで進展した。雇用・教育・福祉・所得保障などの多くの領城において市場メカニズムの適用が増大した。現代社会を特徴づけるのは、暮らしの条件の不確実さである。この不確実さは二〇世紀の末からいっそう増大し、メインストリームの安定という住宅システムの前提を壊し始めている。暮らしの実践にはリスクがつきまとう。危険の発生を予測できるのであれば、それへの対策を発案し、実施することは可能である。

[参考サイト]
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人間の加齢は確実であることから、人びとは高齢期に備えて暮らしの基盤を整えようとする。二〇世紀後半の福祉国家はライフコースの社会標準を前提とし、予測可能性の高いリスクに対処しようとした。しかし、増えているのは予見困難な危険である。市場経済の不安定さが暮らしを取り囲み、労働市場の流動化によって突然の失業と収入減少が発生する。住宅市場の変動は住宅取得の予定を狂わせ、持家資産の安全性を減じる。ライフコースの標準パターンを選択しない、あるいは選択できない人たちが増え、標準の定義は曖昧になっている。