「冬を暖かく」を第一義においてはダメなのです。冬を暖かくを旨とした結果、さまざまな害を生んでしまいましたが、その害に一つひとつ対処するという、これまでの方法では解決をみません。家づくりにおいても、西洋医学的対症療法ではなく、心身の根底から健康にしていく東洋医学的手法が必要になります。その根幹思想が、「夏の家」を旨とする、です。クーラーをあまり使わなくてもすむ家、建物が腐りにくい家、湿気や建材に使われている化学物質が抜ける家、などが「夏の家」のイメージでしょう。冬を旨とした家づくりの副作用に、真正面から取り組むと「夏の家」になります。冬の家の副作用は、建物にとっても住む人にとっても、致命的なものです。単に、冬の暖かさを求める目的で無視していいことではありません。冬の暖かさを考慮しないわけではありませんが、従来の考え方から脱却するために、一旦これまでの「冬の家」を頭からはずして、まず「夏の家」の現代的完成に眼を向けてみましょう。そのキーワード、それは「風通し」です。風通しのいい家。ただし風が単に室内空間を吹き抜けるだけではだめなのです。室内空間だけではなく、壁や天井そして床の裏側など、見えない空回にも、風が流れる必要があります。表と裏の二重の通風が求められます。