世界ブランドと日本のブランド

2011-02-17

いまでも世界ブランドと日本のブランドのあいだには、残念ながら天地ほどの隔たりがあります。日本ではファッションブランドは育ちにくい状況にあります。もちろん、そんな中でも日本のブランドは少しずつ育っていますし、デザインだってどんどんすばらしくなってきています。製造工程における職人の技だって捨てたものではありません。しかし、日本発のファッションブランドが世界で通用する、という域には、まだまだ達していないのです。なぜなら、文化というものが成熟するにはある程度の歴史が必要であるにもかかわらず、日本ではまだ十分な歴史を持ち得ないからです。海外のブランドには、それが十分すぎるぐらいありました。ヨーロッパの老舗ブランドは“老舗”という要素がすでに人の心をとらえます。王室の御用達であるとか、日本人がまだ着物のころにトランクをつくっていたというエピソードを聞くだけで魅力的ですよね。西洋文化にふれて100年そこそこの国と、そもそもその文化を生み出した国の差……。逆のことを考えてみるとわかりやすいのではないでしょうか。着物を買おうというときに、西陣織や大島紬、加賀友禅など日本の伝統に則った選択肢がある中でメイド・イン・フランスのキモノがよりよいと思う人は、まずいないでしょう。してみれば、日本のブランドか海外ブランドに対していかに悲劇的な状況であるかはよくわかると思います。