英語における格調高い表現や学術用語の多くは、中世から近世にかけて、主としてフランス語を経由して古代ギリシヤ語やラテン語から借りてきたものです。例えば、もともと英語のことばであるteachより、ラテン語から借用したeducateのほうが格調が高いので、「教育」はteachingでもよいのですが、論文ではeducationのほうを使います。同様に、医学、科学、哲学用語はほとんど英語古来のことばではありません。英語は、こうした借入語により表現力が増して世界語」になったのです。古代、中世期の英国では、ギリシヤ語やラテン語が学問のことばであり、中世期から近世の宮廷ではフランス語が珍重されていました。その結果、英語のなかにこれら3つのことばがたくさん入り、英語の表現力が増して、現代ではフランス語をしのぐ言語となったのです。これがよいか悪いかは個人の考え方次第ですが、歴史的事実です。同じように、日本語のなかには今、英語を通して実はギリシヤ語やラテン語を源とする多くの語句が入ってきて日本語の表現力を向上させています。これらを総称し、英語から輸入されたカタカナ表記の語という意味で「カタカナ英語」と呼ぶことにします。